*2008年01月20日
映画『ブラックブック』 『サイレントヒル』
ブラックブック
敵も味方も、善も悪も見分けのつかない戦中戦後の混沌下。 善人は救われ悪人は裁かれるといった理想もなく、生き抜くのが巧い人間のみ生き延びる時代。 そんな動乱を執念で生き抜いた気高き一人のユダヤ人女性の生き様、…といったところか。
戦中はナチスの酷い仕打ち、そして終戦後はレジスタンスによる文明人とは思えない狂気の反動。 この映画の前に 『父親たちの星条旗』 を見てたのだけど、勝利者とは、英雄とは何ぞや?と考え込んでしまった。
性や暴力を無機質に描き作り続けたバーホーベンならではのリアリズム。 テーマがテーマだけに、スピルバーグ作品みたく説教臭い社会派映画にしてアカデミー賞を狙うなんてことも出来ただろうに、エンターテイメント色の濃いスパイ・サスペンスに徹しているところは素晴らしいの一言。
バーホーベンの映画は個人的に大好きだけど、それはあくまでネタとして。 でもこの映画で見直したよバーホーベン!やればできるじゃん、長生きしてよ! ★★★★★。
軽く 父親たちの星条旗 に触れたけど、こちらは感想がすぐに出てこないんで保留。 ただ、アマゾンのレビューにも書かれてるけど 『硫黄島からの手紙』 ばかり話題になって、こちらの影が薄いのは残念。 まあ日本からは 『硫黄島から~』 は嬉しい作品だし、アメリカとしては 『父親たちの~』 は触れたくない過去なんで仕方ないかもだけど。
『硫黄島から~』 も良い作品だったけど、ただ日本軍に焦点を当てたというだけで、戦争をテーマにした映画としては普通に良作って感じだった。 どちらかと言えば 『父親たちの星条旗』 の方が強く印象に残った。
サイレントヒル
映画を語る上で 「映画は映画、原作は原作」 と割り切るべきなんだけど、少し前からゲームの サイレントヒル3 を再プレイしてる状態なんで、割り切るのは無理な状態だった。
映画の原作になった一作目も当然知ってるのだけど、なんというか、人間が出過ぎ。 "不条理な悪夢からの逃走劇" が、"悪魔を味方に付けてキチガイ宗教集団との戦い" になってしまってる。
でも、白で染まったサイレントヒルの陰鬱な町並みや夕焼けのシーン、怖いを飛び越して生理的嫌悪感を振りまく錆と血肉の気味悪い映像を "美しい" と感じさせる巧さは素晴らしい(私が特異かもだけど)。 とにかくいい感じなサイレントヒル世界の再現。
あと音楽も。 映像と音が良ければ映画やゲームはなんとかなるってな感じか。
原作とは違うものの、クライマックスはすさまじく強烈でおぞましいインパクト。 あれほどの恐怖感と圧倒的な破壊力があればファイナルファンタジーで召喚魔法に使えそう。 人間のクズ共を圧倒的な恐怖と力で報復する流れは心地よかった、…と思ったのも私だけか、たぶん。
ゲームプレイ中というタイムリーな理由もあってか色々期待して観たのだけど、話はともかく、映像美と世界観には見入ってしまった作品。 私的には、サイレントヒル・シリーズで大好きなエロ怖ナースに終始追い掛けられるとか、そういった恐怖を期待してたけど。 嫌悪感はあったものの、怖さが足りなかったのが残念。 ★★★☆☆。
現在プレイ中の3のエロ怖ナースは、刃物だけじゃなく銃を持ってて撃ってくるという ありえない状態で参ってる。
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ホラーついでに、日本ってホラーゲーム大国じゃね? (VIPPERな俺) を見て思う。
知り合いの外人は、アメリカ式は直接何かをされる恐怖、日本式は何かをされそうでじらされる恐怖とか言ってたけど、ありがちでつまらん意見。もちっとボキャブラリーが欲しいところ。
西洋モノってビックリやスプラッターだけって印象が多いみたいだけど、有名所ではクトゥルーとかキング作品みたいに精神的に追い詰める怖さの作品も多いんよね。 ただ、映画なりゲームなりの映像表現って、ショー的要素を入れないと駄目だから、それが足枷というかパターンになってるからじゃないのかな。日本のホラーにもお約束があるみたく。
あと古典的な怪談はともかく、海外でうけてる日本のホラーって 90年代後半に火がついて映画やゲームで大量に作られたけど、西洋のホラーはずっと昔から作られてるし、日本人もそれらに見慣れてる(見飽きてる)し。 単に "新鮮" なんだと思う、海外にも日本人にも。でもって今現在、日本もネタ切れで行き詰まってる感じ。
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